「作品を発表する場が欲しい。」
9年前、一通のメールから始まったナマ・イキVOICEアートマーケットも15回目
世界中の名だたるアーティストたちの作品が並ぶ芸術の聖地「霧島アートの森」で開かれた。
「アートの化学変化」
もはや アートマって、単なる“発表の場”じゃない。
アーティストとお客さん。
アーティストと森。
いろんなところでいろんなものが化学変化を起こしている。
きょうのナマ・イキVOICEは、
11月3日 霧島アートの森で行なわれた、アートマーケットの一日を振り返ります。
■準備~オープン
11月3日、朝6時。
実行委員のみんなは 寒い中、朝早くから アーティストブースの 最終チェック。
アーティストたちも 続々と 集まってきて、静かな森に いろんな音が響き始めた。
「寒いですね、でもあったまってきました」
「今日はいい風が吹いているので、風がふくといい音がするんで」
「ちゃんとできんのかなー」 ウロウロ ウロウロ・・・



午前8時。
実行委員のみんなは、さすが15回目ともなると ちょっと余裕で腹ごしらえ。
2度目のアートマ「ひたすらワクワク。少しでも役に立てたらって。」
4年目実行委員「この人今回出てるとか勝手に喜ぶ」
午前9時
ダンスパフォーマーホナガヨウコさんが到着。
「すごい楽しみです。いいお天気にもなったし、どんな人と会えるのか楽しみです。」
午前10時
「ナマ・イキVOICE アートマーケットオープンです」
■森と化学変化
▼宮内ゆか
森の中に 現れた 大きなアート
イカ一筋。ただひたすらイカだけを描き続けてきた彼女が、今回描いたイカとは―。
「地球が滅びたら、次はイカが支配するって。森に上がってくるらしいです。」
海からあがった イカたちが、森の中で楽しそうに生きる空想の未来を表現した。



「やっぱり明るい絵は 私には向いてないことがわかりました。」
▼ダイクヨシキ
「森がもし意志を持って、目を持っていたらこうなるんじゃないかっていう作品です。」
よーくみると 落ち葉の中に たくさんの目が。
笑っていたり、怒っていたり、さみしそうだったり、泣いてたり。



「人間の小ささというか。僕らがいている以上に、森や作品は僕らを見ていると。」
お客さん「探すのが楽しみです。」
▼上坂元 均
みんなが 恐る恐る 見ていたもの―。森の中に 座りこんだ おじさん。
“おじさんが好き”っていう ちょっと変わった趣味を持つこの人。上坂元 均さんが仕掛け人。
「犬が逃げちゃったんで、うなだれてる感じです。」



着古した自分の服を おじさんには着せてあげた。もしかしたら、この森に、本当に住んでいるかもしれない。
森の中で 今にも 動き出しそうな 作品だった。
▼KIRI WORK
「すごいなー、細かいとこよく切りますねー」
切り絵作家の キリワーク。
黒と白のキリ絵では、シャープな イメージになりすぎる。



だから、色の組み合わせや 紙の質感、厚さには、十分こだわる。芝生の上で やわらかくて、優しい世界を放っていた。
▼あごぱん
いろんなモノに パンダを描いてきた アートマ常連アーティスト
今回 あごぱんが仕掛けたのは、森の中の いろんなパンダたち―。
「だいたいパンダって、なんかこうイメージが統一されてる」



だちょうの卵に パンダを描いた。アーティストたちの ちょっとした 遊び心が、森の中に アートの可能性を広げている。
■アーティストとお客さんの化学変化
▼ホナガヨウコ
11時。 ホナガヨウコさんのカフェオープン。
カフェの店員に扮した ホナガさんが、メニュー表を持って、お客さんのもとへ。


お客さん「クセになるダンスをお願いします。」
ホナガ「ダンスオーダー入りまーす!肩こりと脱臼してまた入れる。」
自分のためだけに 目の前で踊ってもらえる 贅沢なダンスカフェ。カフェでダンスをオーダーできるっておもしろいよね。



お客さん「おなかいっぱいになりました。面白かった!贅沢!一人で!」
アーティスト と お客さん。初めて会ったお客さんなのに、なぜだか ココロが通ってしまう。
不思議なアートの化学変化。
▼グリッター
森の中に かわいいチャペルが 現れた。
長い列が できてる。



帽子作家の「グリッター」が、結婚式の参列者を表現した帽子は、あっという間に売れていった。
* * * * *
観るアートも、買うアートも、
森の中で響きあって 楽しいときが流れていた。






■アートマが引き起こす内面の化学変化
▼サトル
「よろしかったら・・・」
サトルさんが ポケットから取り出したのはー「名刺」
ちょっと前まで、ひきこもりがちだったっていう、サトルさん。
アートマに出展するようになって、こんな変化が―。



「人嫌いを克服したい」
内面の変化とともに作品の数は格段に増えた。
なんと、髪が柄物のオンナの人の絵が60枚。
▼げんでん堂
2年前、魔よけだらけの しぇるたの中で 一人ひっそり 身を潜めてたGABO。
去年は、祝い事だって言って ちょっと 明るくなってた。
そして今年は― 超自然体のガボ。
げんでん堂っていう会社の社長さん。げんでんカレンダーに、げんでんミュージック。これからも いろんなものを発信していく計画があるらしい。



審査員の藤さん「社長ってのがいいね。おもしろいねー、相当いい感性してるよ。」
▼マンガオ
森の中に指名手配の似顔絵が。



マンガオ、前回のアートマでは 思わず男泣き。今日は、いつも以上に意気込んでいた。
今回は 誰の力も借りず、たった一人でやりぬく。
そう誓ったマンガオは、森の奥深くで、ひっそりと もくもくと 似顔絵を描き続けていた
▼矢野剛毅
8年ぶりに作品を発表する矢野剛毅さん。いつも 見慣れた場所「台所」を表現した。
タルトに、魚の燻製、丸焼きチキン。よくみると、ハエもゴキブリも。
台所には テレビもある。



一つは イマドキのモダンな 結婚パーティー。
そして、もう一つは、昔ながらの お座敷での結婚式。
「人生は常に表と裏がある。」
■アートマが引き寄せる化学変化
▼靴屋さん
長崎の伊東製靴店さん
「なんか 楽しいじゃないですか、直接お客さんと話して。」



お客さんとのふれあいを楽しみにここまでやってきたんだって。
▼吹きガラス
Glass MatsunoHa さんは、広島から トランクケースに ガラスの作品をいっぱい詰め込んで、やってきた。



小さくて かわいいガラスたちに みんな引き寄せられてた。
▼旅する画家
近藤剛司さんは、ほんのちょっとだけ、鹿児島に滞在するつもりが、桜島に一目ぼれして、
なんと もう半年も鹿児島で桜島を描き続けている。
「優雅で、興奮して、もうあのパワー、エネルギーをもらって、そしたら、こんな絵ばっかりかきだした。」



近藤さんの絵には 実は仕掛けが。
「これ(桜島の灰)を練りこむ。せっかくエネルギーの中から出たんだから。」
キャンバスの上で 絵の具も 化学変化している。
■お客さんとの化学変化
▼ユダ・オブザイヤー
人だかりの先には・・・ユダ・オブザイヤー。
「謎の生物なんですよ。いけにえの状態でお見せします。」
これが その謎の生物の正体。
森に溶け込んだり、穴の中に 姿を隠したり、お客さんから 食べ物をもらったり。



とにかく 怪しかった。
* * * * *
午後2時。
芝生広場にみんなが集まって
実行委員が準備してたガラクタの数々でいろんな楽器が、生まれた。
午後3時
naomi&goro「森の音楽界」開始
最後は みんなで 大合奏



楽しかったねー。
こうして、15回目のアートマも終わった。
■審査結果
・ファミリマート賞 KIRI WORK
・マルヤガーデンズ賞 あごぱん
・株式会社 下堂園賞 KIRI WORK
・BENCH賞 矢野剛毅
・我流風ラーメン賞 ヤマサキヤエコ
・熊本市現代美術館賞 上坂元 均
・都城市立美術館賞 肱岡閑一
・藤浩史賞 まいん
・アートの森賞 松尾晴代
・naomi&goro賞 市之瀬章
・ホナガヨウコ賞 タケオナナミ
第3位 近藤剛史
準グランプリ ダイクヨシキ
グランプリ 矢野剛毅


